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HOW TO

香水の持続時間を長くする方法は?「8時間」を決めつけない5つの確認

先に答えると:香水を一律に8時間持たせる方法はありません。メーカーが示す時間は製品ごとの目安で、香りの感じ方にも個人差があります。次の5点を確かめ、追加使用は製品の案内に沿って判断しましょう。

8時間を考えるときの5つの確認

  1. その製品の案内を読む。同じ香水の濃度分類でも、使用時間は製品ごとの説明を確認します。たとえばYSLの製品ページは、製品ごとに目安時間を示し「個人差があります」と注記しています。ブランド間で共通する保証時間とは扱わないでください。
  2. 表示された使い方と量を守る。長く香らせるために一度に多く使う方法は勧められません。使用量や使用部位は、個々の製品表示を基準にします。
  3. 自分の鼻だけで残り方を判断しない。人を対象にした嗅覚研究では、同じ匂いへの反復・継続曝露で知覚強度が変化し得ることが検討されています。香水製品を使った研究ではないため、これは日常の香水に当てはめる際の参考であり、直接の性能証明ではありません。フレグランス利用者向けのCHANELのFAQも、自分では感じにくくなっても周囲には香りが届いている場合があると案内しています。これは同社の利用案内の例で、別製品の持続時間を示すものではありません。
  4. 再び使う前に、場所と周囲を考える。教室、電車、職場などでは、自分が香りを感じにくくなっていても周囲への配慮が必要です。必要ならその場では追加せず、使用を控える選択もあります。
  5. 「長持ち」より心地よい範囲を決める。香りを一日中残すことが目的でなければ、予定に合う製品を少量使い、必要な場合もラベルの案内を優先します。

肌の持続時間とシヤージュは別の見方

肌の上で香りを感じられる時間と、香水をまとった人が通ったあとに空間で感じられる香りの軌跡(シヤージュ/sillage)は別の観点です。IFFで香水制作チームを率いたBrigitte Romagnéは、シヤージュを通過後に部屋に残る香り、肌上の持続(rémanence)と区別して説明しています。本人の鼻で香りが弱く感じられても、周囲での感じ方まで同じとは限りません。

Symriseの公開特許には、シヤージュを移動する着用者から香りが広がり、部屋に届く性質として説明し、一定の気流と複数の評価位置、訓練パネルを使う試験方法が示されています。これは特定の試験手法の例です。一般の商品説明やレビューの評価が同じ条件・尺度で測られていることを示すものではないため、「強い」「長持ち」という言葉は、誰がどの状況で感じた評価かも確認しましょう。

自分の肌で香水を比べる手順は試香ガイド、ブランドによって異なる「スキンセント」の説明はスキンセントの用例も参考になります。

なぜ一律の時間を約束できない?

各メーカーの製品説明は、その製品についての案内です。香料の処方、使用方法、評価条件が異なるため、ひとつの製品に書かれた時間を別の香水にそのまま当てはめることはできません。「香水の種類」だけから正確な持続時間を計算する共通式も、ここで参照した資料からは導けません。

パルファム、EDP、EDTなどの濃度区分と、資料ごとの割合例は香水の濃度表示ガイドで比較しています。

製品ごとの使う部位や、肌と衣類のどちらに使うかを確認したい場合は、香水をつける場所のガイドをご覧ください。

共有空間では控えめに

消費者庁は、香り付き製品を使う際に周囲への配慮を呼びかけています。香りの感じ方は人によって異なり、香りで不調を訴える相談事例も掲載されています。ここでは診断や原因の判定は行いませんが、相手から申し出があったときは、追加使用をやめて距離を取るなど、できる配慮を優先しましょう。

学校で香りを使う場合は、まず校則や施設の案内を確認してください。具体的な確認方法は学校で香水を使う前のガイドにまとめています。

参考文献・出典

  1. YSL Beauty, Libre fragrance product information製品ごとの持続時間の目安と個人差の注記。製品固有の例として参照。
  2. Stuck et al. (2014), Subjective olfactory desensitization and recovery in humans匂いへの曝露と知覚強度の変化を調べた人対象の研究。香水製品の性能試験ではない。
  3. CHANEL, Fragrance Beauty FAQ香水を使い続けると本人には感じにくくなっても周囲には届く場合があるという、同ブランドの利用者向け案内。一般的な持続時間の根拠にはしない。
  4. 消費者庁 (2026), 知ってください!その香り困っている人もいます香り付き製品を使う際の周囲への配慮に関する消費者向け情報。
  5. Brigitte Romagné, “Des mots pour des nez” (École de Paris du management, 2006)元IFFの香水制作責任者による講演記録。シヤージュと肌上の持続を区別し、着用者が周囲の感じ方を捉えにくい場合を説明。
  6. Symrise AG, EP3436794B1, Method for assessing the sillage of fragrance materials特許に記載されたシヤージュ評価の一例。規格や一般消費者向けの共通尺度とは扱わない。